今回はチームでシネマティックな動画(ショートフィルム)を撮影してみました。
「賽の河原」をテーマに無限ループ物のストーリーとなっています。
「賽の河原」とは、数ある地獄の1つで、死者はそこで河原の石を積み塔を作ろうとします。
しかし、塔が完成する前に鬼が来て崩してしまい、塔は永遠に完成しません。
そこに菩薩が現れて救われる。そんな世界観になります。
動画でも同様に、完成しない絵を繰り返し描き続ける様子を表現しています。
主人公の女性がいる部屋が「賽の河原」そのものになります。
食料を届けに来るスーツの男は、菩薩の救いを象徴しています。
絵を塗りつぶす男性は鬼であり、その力によって菩薩は退けられてしまいます。
アラームで目を覚ます女性は、既に繰り返し何度も同じ朝を迎えています。
スーツの男が食料を持ってきますが、よく見て頂くと前回とは違う男性です。
これは、完全に同じ時間を繰り返しているのではなく、常に進行している世界で同じ事が繰り返されている事を表現しています。
鬼が描いた十字は、葬った男達の墓標を表現しています。
アラームの下に数字が書かれていますが、これはループをした数をカウントしています。
実際に2回目のシーンでは、カウントが1つ増えています。
このカウントを年で計算すると約200億年になります。
宇宙が出来たのが138億年前ですから、この部屋は既に時間の概念から外れた世界に存在している事になります。
「:SAI:」の「:」は、音楽の「反復記号」になり、物語のループを表現しています。
そしてタイトルは、複数の意味を込めてSAIとしています。
・賽 賽の河原
・彩 絵と思い出の彩色
・再 再び繰り返す
・埼 私が埼玉県出身である
女性は既にこの世の者ではなく、気が遠くなる程の長いループの中で、消えかかった父親との大切な記憶を繋ぎ止めるように、懸命に描きます。
そんな中、決して忘れぬようにつぶやいた一言が「パパ…」です。
【その他】
・アラームの長針と短針は「鬼門」と「裏鬼門」の方角を指しています。
・女性の衣装は死後をイメージさせるため、白を基調としています。
・スタジオ名が「ループ」なのは偶然です
[Produce & Direction]
[Camera & Photo]
[Cast]
[Narration]
[Location]
[equipment]
BMPCC4K
SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM Art
α6400
SIGMA 16mm F1.4 DC DN
α7RIII
Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA
[editing software]
DaVinci Resolve 17
[Music & SFX]
Artlist
[Stock Video]
Motion Array
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